夢なき者に理想なし!75歳の現役社長が明海大学で熱弁した「運を掴む仕事論」と「真の働きがい」
「せっかくの人生なんだから、何歳になっても1番を目指したい」――。そんな圧倒的な熱量とエネルギーで組織を牽引する経営者がいます。
本コラムでは、世界最大級の不動産ネットワーク「センチュリー21」において、トップクラスの実績を誇る「センチュリー21 マルヨシ」の代表取締役・小山哲夫氏が、明海大学で行った特別講義の模様をお届けします。
今年で75歳を迎える現役バリバリの社長が、未来を担う学生たちに向けて語り下ろした、綺麗事だけではない独自の仕事論。自身の失敗談や大谷翔平選手の思考法、さらには「運の引き寄せ方」まで、人生を好転させるマインドセットの神髄に迫ります。
75歳・現役社長の宣戦布告「俺は社長の席を譲らない」
満足しない生き方と1番への執念
講義の冒頭、小山氏は集まった学生たちに向けて、意表を突く力強いメッセージを放ちました。
「昭和25年(1950年)生まれなんで、満歳で75歳になっちゃうんだけど、俺は社長の席譲らないぞと言っているの。『俺みたいな優秀なやつが現れれば社長譲るよ』ってね」
13年連続日本一という大記録を陰で支える経営トップでありながら、その情熱は少しも衰えていません。「現状に全く満足していない。せっかくの人生なんだから、いつでも1番になりたいんだ」と笑顔で語るその姿は、学生たちの心を一瞬で掴みました。
「仕事が嫌いで逃げまくっていた」学生時代からの変革
驚くべきことに、小山氏は最初から優秀で熱心なビジネスパーソンだったわけではありません。「学生時代は仕事が嫌で嫌で、とにかく逃げまくっていた人間だった」と、自身の過去を率直に明かします。
そんな「いい加減だった」と振り返る人間が、なぜ時を経て「今でもまだ社長をやりたい、世界の頂点を目指したい」と思えるようになったのか。小山氏は、「ほんの少しのきっかけと、モノの捉え方(考え方)次第で、人はいつからでも、どこまででも変われる。今日はそれをみんなに伝えたい」と、講義に込めた熱い想いを語りました。
「夢なき者に成功なし」と運を引き寄せるマンダラチャート
吉田松陰の教え:失敗すらも一つの成果である
小山氏が人生の指針として学生たちに紹介したのが、幕末の思想家・吉田松陰の言葉を引いた、独自の成功哲学です。
「『夢なき者に理想なし』。目標がないものには計画がないし、計画がないものは何もやらない。何もやらないものに、成果なんか出るわけがないんですよ。ゆえに『夢なき者には成功なし』なんです」
何か新しいことに挑戦しようとすれば、当然ながら多くの失敗や壁にぶつかります。しかし、小山氏は「失敗だらけでいい。むしろ、失敗という名の立派なデータ(成果)が得られたということじゃないか。だからこそ、みんな恐れずにチャレンジしていこうよ」と、学生たちの背中を力強く押します。
大谷翔平選手も実践する「オープンウィンドウ64」の真実
さらに話は、現代のトップアスリートである大谷翔平選手が高校時代に作成したことで一躍有名になった「オープンウィンドウ64(マンダラチャート)」へと及びます。大谷選手が中心に「ドラフト8球団から1位指名を受ける」という大目標を掲げたように、小山氏も「センチュリー21でナンバーワンになるぞ」という旗を掲げて走ってきました。
ここで小山氏が強調したのは、チャートを埋める技術ではなく、その根底にある要素の重要性です。
- 目標達成に不可欠な「3つの柱」
どんな素晴らしい目標を掲げても、どんな職業を目指しても、最終的に成否を分けるのは「メンタル」、「人間性」、そして「運」である。
よく周囲から「あいつはいつも運が良いな」と羨まれる人がいますが、それは決して偶然ではありません。小山氏は、「元気よく挨拶をする、落ちているゴミを拾う、周囲に感謝する。そうした当たり前のような日々の正しい行動の積み重ねこそが、巡り巡って運を力強く手繰り寄せるんだ」と、運の本質を解き明かしました。もし将来チャートを作る機会があれば、この3つだけは絶対に外さないでほしいと熱弁します。
働きがいのある会社選びと「3つのマインドセット」
「働きやすさ」と「やりがい」の幸福な掛け算
これから就職活動や社会への一歩を踏み出す学生たちに向けて、小山氏は「本当の意味で良い会社選びの基準」についての持論を展開しました。
世間ではよく「休みが多い」「残業が少ない」といった条件が注目されますが、小山氏はそれらをあくまで「働きやすさ」の指標に過ぎないと位置づけます。本当に人生を豊かにするために必要なのは、もう一つの軸である、仕事に対するモチベーションや自己を成長させてくれる「やりがい」の存在です。
「『働きやすさ』と『やりがい』。この2つが両輪として揃って初めて、本当に『働きがいのある会社』と言えるのではないでしょうか。相手の立場に立って考え、全力で行動する。それが巡り巡って、結果的に自分自身の大きな幸せとして返ってくるんです」
社会で劇的に成長する「素直・プラス発想・勉強好き」
かつて勉強が大嫌いだったと告白する小山氏ですが、数々の失敗を乗り越えてきた経験から、社会に出てから最も伸びる人材の共通点として次の3つの特質を挙げました。
- 素直さ:他人のアドバイスや指摘を遮らず、まずは真摯に受け入れる器の大きさ。
- プラス発想:どんな逆境やトラブルに見舞われても、それを成長のチャンスと捉える前向きさ。
- 勉強好き:学校の勉強という意味ではなく、未知の事柄や仕事の本質に対して、常に好奇心を持って学び続ける姿勢。
こうしたマインドを持つ個人が集まるからこそ、会社はただの営利組織であることを超え、社会に深く貢献できる価値ある存在になれるのだと訴えかけました。
会社は「最高のパフォーマンスを持ち寄る集合体」である
鶏が先か、卵が先か:環境に甘えない自立心
小山氏は、「会社と個人の関係性」についても本質的な問いを投げかけます。
「『良い会社に入れば、自分も自然と成長させてもらえるんだ』と勘違いしてはいけない。それは順序が逆なんです。1人1人がそれぞれの場所で踏ん張り、最高のパフォーマンスを作り出すからこそ、そのエネルギーの集合体が結果として『良い会社』と呼ばれるようになる」
組織という環境にぶら下がるのではなく、自分が組織を良くしていくのだという当事者意識。そのためには、やはり日々の元気な挨拶やゴミ拾い、目の前のお客様に心から喜んでいただくといった、「基本中の基本」を徹底的にやり抜くことからしか始まらないと語ります。
テクニックに頼らない「お客様ファースト」の原点
マルヨシの営業現場において、小山氏が社員たちに口酸っぱく言い続けているのが「営業に小手先のテクニックはいらない」という極めてシンプルなルールです。
「まずは『お客様が何に悩み、どんなお困り事を抱えているのか。そのお手伝いを全力でしなさい』と伝えています。お客様を単なる金儲けの手段として見ていたら、その下心は必ず見透かされてしまう。純粋にお困り事の解決をお手伝いした結果として、あとから必ず大きな仕事や売上として繋がってくるんです」
仕事場は「自分を磨き、切れ味を鋭くする舞台」である
刃物は、ハサミでも包丁でも、使えば使うほど摩耗して切れ味が悪くなっていくものです。しかし、人間の能力や心は全く異なります。「仕事場という真剣勝負の舞台こそが、経験を積めば積むほど、自分という人間の切れ味をどんどん鋭くし、成長させてくれる最高の場所なんだ」と、仕事が持つ真の喜びを表現しました。
ここで、実際にマルヨシで起きている素敵なエピソードが紹介されました。現在、マルヨシの経理部門でアルバイトとして活躍している大学卒業生の小塚さんは、元々はご両親と一緒にマルヨシへ部屋探しに訪れた「お客様」でした。その際、マルヨシの誠実な対応や社風をご両親が非常に気に入り、「バイトをするなら絶対にマルヨシにしなさい」と勧められ、入社に至ったと言います。
「生意気な言い方かもしれないけれど、お客様が私たちの熱烈なファンになってくれること。そうした信頼の連鎖が、結果的に僕たちの商売を力強く支えてくれるんです」と、小山氏は誇らしげに語りました。
講義がもたらした感動の反響と「雑用」という名の第一歩
次世代へのバトンとLINE交換
小山氏の熱い講義は、聴講していた明海大学の学生たちの心を激しく揺さぶりました。講義終了後、一人の学生が前へ歩み出てきたと言います。その学生の実家は地方で不動産業を営んでおり、「小山社長の話を聞いて感動しました。ぜひ将来、自分の会社をもっと成長させて素晴らしい会社にしたいので、実際のマルヨシさんの現場をこの目で勉強させてほしい」と直訴してきたのです。
この想定外の直訴に大喜びした小山氏は、その場ですぐに自社スタッフと学生とのLINE交換を促しました。「年内にはぜひ会社見学に招待したい。こういう高い志を持つ若者は、私たちは全力で応援させていただきます」と、嬉しそうに目尻を下げました。
なぜ一流は「雑用」を一生懸命にやるのか?
これから社会に出るにあたり、「最初から明確な目標や目的を持っている人なんて、実はほとんどいない」と小山氏は言います。だからこそ、縁あって入った会社で、まずは四の五の言わずに全力投球してみることが大切です。
「最初は誰もが『なんだ、こんな雑用ばかりか』と不満に思うかもしれない。最初から会社が大切な仕事を任せないのは当然なんです。けれど、その小さな雑用を誰よりも一生懸命、完璧にこなす姿を見て、周囲は『この人は本当に仕事に真面目だな』と信頼を寄せる。その信頼があるからこそ、次の大きなステージへの挑戦権を与えてもらえるようになるんです」
どんな偉大なキャリアも、目の前の小さな雑用を愛することから始まっているのだと、大切な仕事の向き合い方を説きました。
延長線上の思考を捨てる!「視野を広げる大風呂敷経営論」
「堅実すぎること」の落とし穴
小山氏は、自身の経営手法の変遷についても明かしました。創業当時の小山氏は、とにかく「堅く、堅く、慎重に」をモットーに、石橋を叩いて渡るような経営を行っていたと言います。
しかし、ある時を境にその考え方を大きく変えました。周囲からは一見「大ボラ」や「大風呂敷」に見えるような、前年比30%〜40%アップという非常に高い目標をあえて掲げるようにしたのです。
「あまりに堅実で慎重すぎると、これまでの過去のやり方の『延長線上』でしか物事を捉えられなくなってしまう。けれど、『目標を3割引き上げるぞ』と決めて視野をグッと広げてみると、これまで自分たちが気づいていなかった有益な物件情報や、新しいアイデアがどんどん目に飛び込んでくるようになるんです」
この「大風呂敷」の思考に変革したことで、マルヨシグループはあっという間に売上50億、100億の壁を突破する見通しが立つほどの急成長を遂げることとなりました。
「真面目な会社」だからこそ、大きくする義務がある
昨今のニュースを見渡すと、誰もが知る大企業であっても、品質データの捏造や不良問題といった悲しい不祥事が後を絶ちません。小山氏は、そうした社会の歪みを見るにつけ、自社に対するある強い想いが湧き上がってくると言います。
「うぬぼれかもしれないけれど、世の中の不祥事を見るたびに『うちの会社って本当に真面目だな』って思うんです(笑)。少しでも世の中に貢献できる、嘘のない真面目な会社だからこそ、私たちはもっと会社を大きくして、社会への影響力を広げていく必要があるんじゃないか。能天気かもしれないけれど、最近はそんな強い使命感に突き動かされているんです」
まとめ:今日から実践できる「成功へのステップ」
本講義を通じて、小山氏が学生たちに伝えたかったメッセージは、年齢や立場を超えて、すべてのビジネスパーソンに突き刺さる本質的な教えでした。
- 「夢や目標」が行動のすべての源泉である
目標を掲げない人間には計画が生まれず、行動もできない。まずは心の中に「大風呂敷」でも良いからワクワクする夢を描くこと。
- 「運」は日々の正しい行為の貯金である
挨拶、ゴミ拾い、感謝の心。誰も見ていないような細かな日々の善行こそが、ここ一番のチャンスで強力な「運」を連れてくる。
- 「お客様第一」の徹底が最強のビジネスモデル
金儲けの手段としてお客様を見るのではなく、お困り事の解決に全力で伴走すること。その誠実さが熱烈なファンを生み、永続的な繁栄をもたらす。
75歳にしてなお、「誰にも社長の席は譲らない」と笑う小山氏の圧倒的なマインドセット。延長線上の思考を捨て、自らの手で運と未来を切り拓くためのヒントが、この講義には凝縮されていました。
今回の小山社長による熱い熱い大学講義の全編を、映像と生の声で体感されたい方は、ぜひこちらの動画から直接ご覧ください。



