新卒最下位から売上No.1へ。不動産営業マンの成長の軌跡と、人を育てる「デメリット開示」の誠実さ
不動産営業と聞くと、生まれ持ったセンスや「ガツガツとした押し切りのトーク」が必要だと思う方も多いかもしれません。しかし、世界最大級の不動産ネットワーク「センチュリー21」の加盟店であり、地域で圧倒的な実績を誇る「センチュリー21 マルヨシ」には、その常識を覆すトップセールスがいます。
本コラムでは、同社の売買営業本部で大活躍し、社内トップの成績を収める佐々木氏の一日に完全密着。
「新卒入社時は同期の中で一番数字が悪かった」と語る彼が、いかにしてお客様や社内から絶大な信頼を集めるトップセールスへと駆け上がったのか。その成長の軌跡と、マルヨシが実践する「人を育てる環境」、そして営業の本質である「誠実さ」の裏側に迫ります。
1. タイムスケジュールで見る、不動産トップセールスの一日
まずは、佐々木氏のリアルな一日のスケジュールを追いながら、日々の業務にどのように向き合っているのかを見ていきましょう。
- 09:20 ラジオ体操・社内清掃
全員で体を動かした後、社内を徹底的に掃除します。
- 09:30 全体朝礼
一日のスケジュールや案件の進捗をチーム全体で共有します。
- 10:30 売買物件の契約「決済」業務
不動産売買において最も重要で、お客様が緊張される取引の場に臨みます。
- 11:30 他部門との情報連携・打ち合わせ
徒歩1分の場所にある賃貸店舗へ赴き、案件の連携を行います。
- 12:00 昼食・休憩
- 13:00 外回り:売却お預かり物件の写真撮影
ネット掲載用に向けて、お客様目線でのこだわり撮影を行います。
- 14:30 外回り:新規相談物件の現地確認
新しく売却相談のあった土地や建物の状況、境界線などを細かく調査します。
- 16:30 帰社・事務所作業(〜2時間程度)
マーケット調査やAIを使った物件査定、重要書類の作成などの事務処理をこなします。
- 18:30 定時退社
業務を終え、この一日のスケジュールを完了して帰宅します。
毎日のルーティンに宿る「礼儀」と「環境への配慮」
佐々木氏の一日は、全員で行うラジオ体操と徹底的な社内清掃から始まります。マルヨシの建物は非常に広く、毎日の掃除は一苦労ですが、佐々木氏は「掃除は結構好き。トイレ掃除などは、社長から『お前がやると綺麗だ』と褒めてもらえる」と笑顔で語ります。一生懸命に掃除をするあまり、朝礼前に汗をかいて一度ワイシャツを着替えるほど、何事にも全力で取り組むのが彼のスタイルです。
この姿勢の根底には、彼が幼少期から大学4年まで続けてきた「極真空手」の経験があります。「礼儀を重んじる」という空手の精神が体にしみついているからこそ、誰に対しても愚直で、細かな気配りを絶やさない人間性が形作られています。
2. 契約のハイライト「決済」と、専門用語を使わない電話対応
午前中のメイン業務は、不動産売買の最終関門とも言える「決済(物件の引き渡しと代金の支払い)」です。
お客様の緊張をほぐす細かな声かけ
「決済は、人生の中でも特に大きなお金が動く、大事な取引です。当然、お客様は一番緊張されるシーンですので、少しでもその緊張がほぐれるように、こちらから積極的に声をかけながら進めることを意識しています」
ベテランとなった今でも、決済の場に向かうときは多少の緊張感があるという佐々木氏。だからこそ、お客様の不安な気持ちに寄り添い、安心できる空間を作り出すことに全力を注いでいます。
難しい言葉は使わない。「分かりやすさ」と「簡潔さ」の徹底
決済を終えて事務所に戻ると、一般のお客様からの内見希望や売却相談の電話が次々と入ります。電話対応において、彼が最も心がけているのは「専門用語を極力使わず、簡潔に伝えること」です。
不動産業界には、普段の生活では馴染みのない難しい専門ワードが溢れています。それをそのまま並べるのではなく、初めて不動産に触れるお客様でも直感的に理解できるよう、頭の中で噛み砕いてから丁寧かつスピーディーに伝えることが、信頼の第一歩となっています。
3. アナログと最先端の融合:AI査定とホワイトボード
午後の事務所作業では、膨大な「事務処理」や「物件査定」が行われます。実は、不動産の売買営業は外回りだけでなく、裏側での緻密なデスクワークが大きな割合を占めています。
「楽になるならどんどん試そう」AI導入への柔軟なスタンス
マルヨシでは、売却依頼を受けた物件の適正価格を算出(マーケット調査)する際、最新のAI査定システムを導入しています。
新しいデジタルツールの導入に対し、古い習慣に固執する営業マンも少なくありませんが、佐々木氏は「楽になるなと思って、抵抗は全くなかった」と振り返ります。実際に使ってみると非常に正確であり、テクノロジーを味方につけることで、よりスピーディーにお客様へ査定根拠を提示できるようになりました。これは「新しいものはどんどん取り入れて挑戦しよう」という社長の柔軟な経営方針が、社員一人ひとりに浸透している証拠でもあります。
あえて残す、ホワイトボードという「超アナログな視覚化」
最先端のITツール(Salesforceなど)を駆使する一方で、マルヨシのオフィスには数多くの「ホワイトボード」が並んでいます。
デジタルですべてを管理するのではなく、あえて「全員の目に触れる場所」にアナログな形で案件や目標を書き出すことで、チーム全員が現状をひと目で把握できるようになります。「最先端を取り入れつつ、無くしちゃいけないアナログな良さも織り交ぜる。」このバランス感覚こそが、業務の抜け漏れを防ぎ、風通しの良い社内環境を維持する秘訣です。
4. 外回りで見せるプロのこだわり:物件写真と境界線の確認
午後からは車や徒歩で外回りに向かいます。マルヨシの売買部門では、強引な「飛び込み訪問」などは一切行わず、ネットや紹介を通じて「査定してほしい」「相談したい」と声をかけてくださったお客様に対して、誠実に対応していく反響営業スタイルをとっています。
お客様目線に立った、120%の魅力を伝える写真撮影
まずは、マルヨシが直接仕入れてフルリノベーションを施した売買物件(築40年を感じさせない美しいお部屋)の写真撮影です。
「写真を撮るのが個人的にすごく好きなんです。得意かどうかは分かりませんが、こだわりを持って撮影しています。『お客様目線で見たときに、部屋のどこにどんな写真があったら安心するか、魅力を感じるか』を常に意識して、細かくシャッターを切っています」
ただ部屋を広く見せるだけでなく、住んだときの実際の暮らしをイメージできるよう、物件の良さを最大限に引き出す努力を怠りません。
「不動産は一点もの」トラブルを未然に防ぐ現地調査
続いて向かったのは、新しく売却の相談があった埼玉県の現地アパートです。佐々木氏が現地に着いて真っ先にカメラに収めたのは、「隣地との境界線(ブロック塀)」でした。
「不動産は同じものが二つとない『一点もの』だからこそ、奥が深くて日々新しい発見があります。例えば、この境界線から隣の家の木や物が飛び出ていないか、逆にこちらのものが出てしまっていないか。これを最初にしっかり確認し、問題があれば事前に解消しておくことが、将来のトラブルを防ぐために極めて重要なんです」
一見すると見落としてしまいそうな細かなポイントまで、プロとしての鋭い目線でチェックを行います。この徹底した事前調査があるからこそ、お客様は安心して大切な資産の売却を任せることができるのです。
5. 【挫折からの大逆転】新卒最下位だった1年目と、折れない心
今でこそコンスタントに素晴らしい数字を上げ、社内No.1の座に君臨する佐々木氏ですが、彼のこれまでの10年間の道のりは決して平坦なものではありませんでした。
同期と差をつけられた、最も辛かった暗黒期
2015年に新卒でマルヨシに入社した佐々木氏。彼の描く「人生グラフ」を振り返ると、社会人1年目の位置が最も深く落ち込んでいます。
「10年間の社会人生活を振り返って、一番辛かったのはいつかと聞かれたら、間違いなく『1年目』と答えます。当時は同期が4人いたのですが、私が一番数字を立てるのが遅く、成長スピードも圧倒的に最下位でした。周りとどんどん差をつけられていく感覚があり、毎日『なんで自分だけできないんだろう』と激しい葛藤と悔しさを抱えていました」
社長や周囲の先輩たちも、当時の佐々木氏の伸び悩みには「正直、当時はかなり心配していた」と本音を明かします。メンタル的にもどん底にいた彼を支えたのは、周囲の環境でした。
「お前ならいつか必ず上がる、絶対に大丈夫だから」
そう言って見捨てずに声をかけ続け、見守ってくれた同期、先輩、そして社長の存在があったからこそ、彼は心を折ることなく、愚直に基礎を積み重ねることができました。
賃貸部門でのリーダー経験と「向き合うマネジメント」
努力が実を結び、2年目、3年目と徐々に業績を伸ばした佐々木氏は、入社4年目に賃貸営業部のリーダー(マネージャー)に抜擢されます。
「自分にできるだろうか」という不安の一方で、「自分が引っ張った方が絶対に組織が良くなる」という強い決意を胸にマネジメントに挑戦しました。
彼がマネジメントで最も意識したのは、「部下一人ひとりと真正面から向き合うこと」です。
- 個性を活かす仕組みづくり
- 部下の性格やタイプを細かく分析し、「この子にはどうアプローチすれば改善するか」を徹底的に考え抜く
- 提出物が苦手な部下がいれば、叱るのではなく「目に入る一番分かりやすい場所に提出箱を置く」という、仕組みによる「見える化」で解決する
- 全員参加のミーティングと理念の共有
- 定期的なミーティングの頻度を増やし、全員参加を徹底
- 「自分はどんな組織を作りたいのか」「どんな思いで仕事をしているのか」を何度も言葉にして部下に浸透させる
この「信じて向き合う」教育が見事に開花し、入社5年目には当時の賃貸営業部における「過去最高の年間売上」を達成するという、圧倒的な金字塔を打ち立てました。
6. トップセールスの真髄:お客様の心を動かす「デメリット開示」
賃貸部門で最高の成果を出した後、佐々木氏は現在の「売買営業本部」へと異動します。賃貸と売買では、扱う金額の大きさはもちろん、覚えるべき知識量(税金や相続法律など)が桁違いに多く、異動直後は再び「自分はこんなにできないのか」と大きな壁にぶつかりました。
しかし、そこで諦めずに愚直に勉強を続け、今ではお客様からGoogleの口コミなどで社内随一の感謝の言葉を集め、センチュリー21内でも極めて稀な「トップ・オブ・クオリティ賞」を受賞するまでに至りました。
社長は、佐々木氏がここまでお客様から愛され、圧倒的な売上を上げられる理由をこう分析します。
「多くの営業マンは、お客様に嫌われたくない、あるいは契約が欲しいという一心から、物件の『良いこと(メリット)』しか言わない傾向があります。しかし、佐々木の一番素晴らしいところは、相手にとって嫌なこと、マイナスになる『デメリットやウィークポイント』を、最初にごまかさず100%しっかりと伝える点です。だからこそ、お客様は『この人は本当に信頼できる。この人にすべてを任せよう』と思うのです」
プロとして正しい知識を持ち、良い面も悪い面もすべてをさらけ出す。この「正々堂々と仕事をする」という誠実な姿勢こそが、彼が新卒最下位から這い上がり、誰もが認めるトップセールスになれた最大の理由です。
7. まとめ:これからの時代に求められる不動産営業マンの姿
本コラムを通じて、センチュリー21 マルヨシのトップセールス・佐々木氏が示した、これからの時代を生き抜く営業マインドは以下の3点に集約されます。
- 「成長スピード」が遅くても、愚直に続ければ必ず花開く
最初から器用に数字を出せる人ばかりが優秀とは限りません。どん底の時期があっても、周囲の支えを糧に諦めず、素直にやり続けられる人が最終的に最も強いプロフェッショナルになります。
- 営業の本質は、メリットだけでなく「デメリットの開示」にある
目先の契約欲しさに良いことだけを並べる営業は、長続きしません。お客様の立場に立ち、リスクやウィークポイントまで誠実に伝える姿勢が、他社との圧倒的な信頼の差(口コミや表彰)に繋がります。
- アナログの強み(礼儀・視覚化)と最先端(AI)を融合させる
どちらか一方に偏るのではなく、効率化できる部分はAI等に任せ、お客様と直接向き合う部分やチームの結束を高める部分では、とことん泥臭いアナログの手法を大切にすることです。
「不動産売買は責任が大きく大変なことも多いですが、やり遂げたときにお客様から直接いただける『感謝の気持ち』は、自分が頑張った分だけダイレクトに返ってきます。これほど喜んでもらえるやりがいのある仕事はありません」
新卒時の挫折を乗り越え、誰よりもお客様に寄り添うプロとして走り続ける佐々木氏。彼の仕事に対する情熱と誠実さは、すべてのビジネスパーソンにとって、信頼を勝ち取るための大きなヒントになるはずです。
今回の佐々木氏による、リアルな外回りの様子や、社長・同僚が語る熱い育成エピソードを動画で直接体感されたい方は、ぜひこちらのリンクからご覧ください。



